これを読んでいる方は、配電部門ってなんの仕事するの?って思ってるんじゃないでしょうか?
私は、元関西電力社員で配電部門に所属しておりました。
パンフレットやホームページでは不明な点が多々ありますよね。
そこで、配電部門の仕事の内容について詳しく説明したいと思います。
よかったらこちらの記事も参考にして下さい。
配電部門とは
まずここからですね。
電力会社には、主に3つに分けられ発電・送電・配電があります。
発電:原子力や火力といった発電所で働く部門
送電:鉄塔や変電所等の設備を扱う部門
配電:電柱や引込線などを扱う部門
配電部門はお客さまに一番近い部門です。
電気を家庭にしっかりと届けるために、設備の保守・運用を行う部門になります。
配電部門の仕事
電気設備の点検・保守
これが主な仕事になります。
大卒も高卒も配電部門に配属されたら必ずこの道は通ります。
⚪︎電気設備の点検
街に建っている電柱を双眼鏡を使用し、不具合がないか見つけます。
また、地中設備等も定期的に点検を行います。
(現在は委託化が進んでおり、業者がやってくれる場合もあります)
⚪︎電気設備の保守
点検で見つけた不具合に緊急性がある場合、自分たちで改修します。
緊急性がない場合は、後日改修もしくは業者へ委託します。
簡単に説明するとこのような感じです。
『不具合って何?』って思いますよね。
一番分かりやすいので言えば、春ごろになると電柱にカラスが巣を作っているのを見たことありませんか?身近なもので言えばこれが不具合です。
カラスの巣は、場合によっては停電する恐れがありますので、緊急性があれば撤去します。
停電を未然に防ぐために、不具合を発見し改修するといった感じです。
なので、入社したら電柱に昇る訓練を行います。
不具合を改修する時は電柱へ上り自ら改修作業を行います。体力がいる仕事です。
他にも細かいところ言えば沢山ありますが、大きく言えばこれが電気設備の点検・保守作業となります。
停電時の復旧作業
停電時には、夜中でも呼び出され作業を行います。
分かりやすい例で言えば、台風や地震などの時です。
電線が切れたり電柱が倒れたりすると復旧作業を行います。
台風や地震といった災害でなくても停電することがありますので、いつ呼び出しがあるかは分かりません。このような停電を未然に防ぐために先程の点検・保守を行います。
大規模災害になると、自宅に帰れないこともしばしばあります。その時は営業所で少し仮眠をしたりして作業を行います。
千葉での大型台風や広島の大水害等の大規模な災害では、停電範囲が大きく復旧の見込みが立たない為、復旧作業をしに応援に行くこともあります。
お客さま申し出の対応
お客さま申し出は、毎日なにかしらの対応があります。
例えば、電線に鳥が止まって鳥の糞がひどいとか電線をよけてくれなどの申し込みです。
これは、お客さまと直接お会いして話をします。ほとんどが設計書で処理して業者に委託する場合が多いです。
入社してすぐは知識がないので、行くことはありません。会社の知識が備わってきてからこの仕事を行います。
もちろんクレーム等もありますので、お叱りを受けることも多々あります。
メンタル勝負みたいなところはありますね。
設計
設計にも色々ありますが、代表的なものは電柱を新設する時などです。
新しい分譲地等に電柱を建てるときに、設計者が設計し業者に委託します。
計算方法やルールは決まっていますので、特殊な作業などはありません。
こちらは主に机上業務(パソコン)になります。現場調査の時に現場に出るぐらいです。
関西電力の場合ほとんどが高卒ならば設計者になるのは30歳以降、大卒ならば入社して3年後ぐらいに1度設計を経験します。
設備・系統の運用
経験を重ねないとこの仕事には就けません。
まず、電気は下記の写真のようにして家庭に送られます。
出典:電気事業連合会
そして配電部門が扱っているのが、右側に見える6600Vの部分になります。
電気には電圧降下といものがあり、末端に行くに連れて電圧が下がっていきます。家庭に入る電圧の基準は101±6Vと電気事業法で決まっております。
すごく簡単に説明すれば、家庭に電圧をしっかり届けるために電圧を調整するといった感じです。
設備の運用は、この設備はこっちに移した方が効率が良くなるとか、この設備は無駄だからいらないなどのいかに効率よく電気を送電するかを考えるところです。
この仕事は、基本的に40代の方やよくできる大卒の社員が担当することが多いです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回紹介した業務が基本的な業務になります。
細かく言えばまだあるのですが、大体こういった感じです。
キャプテン翼はボールが友達!配電部門は電柱が友達!っていうぐらい電柱に関わる仕事をします。
何にせよ、入社して初めの方は必ず電柱に昇ることになりますので、配電部門を希望する方は体力作りをしておくことをオススメします。
それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。
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